2016年12月29日木曜日

グローバル市場を狙うベトナムの6次化産品発見!?

ホーチミン市内にある「アンナム・グルメ・マーケット」は、世界各国商品が手に入る、高級食材店。12月から1月にかけては旧正月のギフト販売が行われており、ショーウィンドウには華やかにラッピングされた品々がディスプレイされています。



そして店内では、訪れたお客さんが店員さんと商品を選んだり、たくさんの店員さんがラッピング作業に追われています。ちなみに、お一人が1件に費やす予算は4,000円〜20,000円程度なんだとか。

そんな店内で目に留まったのが、ベトナムの6次化産品ともいえる、国産を売りにした「顔の見える」商品たち。パッケージは英語表記で、店内
に並ぶヨーロッパのお菓子やお茶と肩を並べても違和感のない洗練されたものになっています。完璧に外国人や富裕層をターゲットにした商品であることが見て取れます。


中でも特に目を引いたのが、「Vietnam Delights 25 Authentic Tea Collection」。ベトナム各地で採れた紅茶、緑茶、ハーブティーなど(アーティチョーク茶までも!)を25種類集めて、写真家によるそれぞれの地域の写真を施したパッケージに収め、「ベトナムお茶地図」も付いています。特にオルガニックの商品ではないようですがお値段は、125gで2,300円程度(アマゾンでは約4,000円)。魅せ方でブランディングに成功しています。これなら、冒頭の写真にあるラッピングされたギフトセットに入れ込んでも違和感ないと感じます。



で、同じ店内の日本食コーナーに目を向けると・・・・。こんな感じです。


まずギフトコーナーに日本のものはなく、日常使いの食材コーナーの狭いスペースに、日本でもおなじみの商品が並んでいました。日本のギフト文化は十分成熟していると思いますし、国際空港には外国人をターゲットにしたジャパンブランドを前面に出した商品が所狭しと並んでいますが、国境を越えるのは簡単ではないのですね。日本にだって、こだわりの生産方法や美しい生産環境を誇る商品が山ほどあります。それらが先ほどのベトナムのお茶商品のように、グローバル市場を意識した本気のブランデイングを行ったらどんなインパクトが生まれるのでしょうか?妄想するだけでワクワクします。





2016年12月25日日曜日

ベトナムの禁欲的クラッカーに見える可能性

原材料は、玄米(62%)、ほうれん草(35%)、ベジタブルオイル、塩だけという超硬派なクラッカー。揚げてなくて、添加物ゼロで、グルテンフリー。そして100g入りでなんと130円程度ときたら、「小腹が空いてもコンビニで買うものがない」と嘆く健康志向の方には願っても無い商品では無いでしょうか。これら、ハノイの日本食や有機食品を扱う商店で見つけた品です。

*ココナッツ、ほうれん草、黒ごま、わかめのラインナップ



肝心の味は、正直かなりプリミティブで、食感は硬めなんだけど、好きな人はきっと好き。ベトナムでも健康志向の人が増えているとは聞いていましたが、ここまで突き詰めた商品を、しかもお洒落なパッケージで販売していることに驚き。



今、「日本の安心安全で健康寄与するものが欲しい」というベトナム側と、「ベトナムの有機食品の仕入れに関心がある」という日本側の双方のニーズが私の元に届いており、両国の様々な商品を吟味しています。

ベトナムの有機農業は国家プロジェクトとして今後素早いスピードで普及していくことが予想されていますが、日本はどうでしょうか。オリンピックに向けて世界基準のアスリート食を確保するため、有機食品への関心が高まっていますが、それでも有機農法を行っている日本の土地は1万ヘクタール。今年のオリンピック開催地ブラジルは70万ヘクタールまで増やしたと聞くと、到底間に合わないことは明らかです。

今はベトナム側の日本食へのニーズがその逆を上回っていますが、そう遠く無い時期に逆転現象が起こるのかもしれません。安心安全で、美味しくて、パッケージもおしゃれな海外の食品が、日常に溢れるような時代はそこまで来ているのかも。

2016年12月21日水曜日

想いを預かりました!

農家から耕作放棄地を借り受け、有機飼料で育てた豚鶏牛由来の堆肥や、有機米の籾殻由来の肥料を用いて育てたケールで青汁を製造している、愛媛県東温市にある遠赤青汁株式会社の高岡照海社長と営業企画部の日野厚志さんに会いに行きました。身体に良いものを提供するだけでなく、障がいを持った方の雇用や太陽光発電など、地域社会と自然環境の持続可能性をとことん追求する遠赤青汁株式会社の活動と商品力に対する認知は、今や世界に広がっており、海外の医療機関からも注目を集めているそうです。また、この度日本では、遠赤青汁の商品が機能性表示食品にも認定されました。来週は、今回いただいた遠赤青汁がもたらす効果を化学的に説明する研究資料や、桜を世界に寄付する活動などの資料を携えてホーチミンに渡り、ベトナム政府の農業研究所、有機食品認証団体を訪問します。高岡社長の熱い想いをしっかり伝えることができるよう、資料を読み込んでおきたいと思います。

これまで3,000本の陽光桜をアフリカ大陸からアメリカ大陸まで
世界数十カ国に寄付されています。


高岡社長と。後ろに見えるのはソーラーパネル。従来のものとは異なり、背が高く、隙間がたくさん空いているため、発電しながらパネルの下で作物を栽培することができるという、名付けて「ソーラーシェアリング」。

2016年12月15日木曜日

心の距離を縮める

中小機構主催のセミナー「越境EC成功への10ポイント」に参加しました。Nourish Japanが直接的に越境ECを始める予定はありませんが、より効果的な海外展開支援のために学んでおきたいと考えました。講師の村田光俊氏(株式会社プリンシプル代表)はコンサルタントとして、数々のECビジネスを成功に導いてきただけでなく、ご自身が、マーケティング、サイト作成、プロモーション、配送、クレーム対応までをトータルに行う、国内ECサイト、実店舗、越境ECに取り組むビジネスのオーナーでもあります。そのため、失敗・成功事例も感情のこもったリアルなものであり、マーケティングのための情報分析方法も実践に基づく明解なもので、私のような初心者でもすぐにでも始められそうだと感じました。関西弁の語りも面白く、あっという間の3時間でした。

そんな村田氏のお話しで心に残った言葉は「越境ビジネスではお客様との心の距離を縮めることが大事」という言葉です。技術革新により、どこにいても商品を選び注文ができる時代です。アマゾンでは3時間以内に商品が届くサービスも始まり、モノやそれらの販売者と消費者の物理的な距離はどんどん縮まっています。では心はどうでしょうか?SNSでつながったからといって、相手との関係が急に深まったりすることが無いように、単にネット上で商品を閲覧できることで消費者の心が動いたりはしないのです。

では心の距離を縮め購入へのアクションを起こしてもらうために、何ができるのか。顕在的な取り組みとしては、その商品を手に入れることで何が起こるのかを動画なども用いて丁寧に伝える工夫。また商品そのものの物語だけではなく、販売している企業や人物の想いや物語も綴る。潜在的な取り組みとしては、顧客への個別対応が挙げられていました。例えば特別な情報を特定の人だけに提供したり、プレゼントを贈るなど。売り上げを伸ばしているサイトは見えないところでこういう取り組みを行っていたりするそうです。

とにかく一言で言えば、ターゲット国や人々の消費行動をどれだけ理解し、ニーズを満たす商品開発やアプローチができるか。日本企業の海外展開にありがちな、「こだわった日本のものだから海外の人が喜ぶだろう」「既存の情報を翻訳すれば伝わるだろう」では遠く離れた人の心を動かすことはできないのです。肝に銘じておきたいと思いました。

写真は全く関係ないですが、ハノイの夜。ベトナムをターゲット国にするのであれば、いつも心はベトナムに・・・。^^



2016年12月12日月曜日

"路上生活から一流ホテルまで”を支援

路上や養護施設で暮らす子どもたちに、2年間の集団生活の場を提供し、基本的なライフスキルに加え、調理技術やレストラン運営、ITスキル、英語教育を提供し、就職までを支援するベトナムのNGO「Koto International」を訪れました。

この団体は、オーストラリアで生まれ育ったベトナム人Jimmy Pham 氏によって設立されました。1996年、旅行でホーチミンを訪れたジミーは、路上で生活する子どもたちに衝撃を受け、まずは子どもたちにシャワーを浴びさせ、十分な食事を提供する活動から始めました。その後オーストラリアとベトナムを行き来しながら活動を続けた後、ベトナムに拠点を構え本格的な活動を行うことになるのですが、そのきっかけは、子どもたちの‘We need skills so we can find stable jobs’(私たちに必要なのはスキル。そうすれば安定した職が得られる)という言葉だったそうです。その言葉を受け、Jimmyは、まず9人の研修生と共にサンドイッチショップを始めたのです。

その活動が発展し、現在では、ハノイとホーチミンに研修学校とレストランを構え、16歳から22歳までの100名の若者が学んでいます。300名を超える卒業生は有名レストランやホテルで活躍する他、海外に留学してMBAを取得したり、Kotoに戻りスタッフとして活躍する人も多数いるのだとか。レストランの料理やサービスについての評価も大変高く、Trip Advisorでも優秀店に認定されています。


現在Koto Internationalでは、研修生の海外研修の受け入れ先を求めています。向上心高く、調理やレストランビジネスの知識・スキルを有したベトナム人の若者を育てることで、社会貢献、自社のビジネス開発や人材育成につなげたいという日本のホテルや飲食業界の方、ご興味があればnourishjapan@gmail.comまでご連絡ください^^/

キッチンの様子。


3階建ての素敵なレストラン。ベトナムで一番古い大学跡地に面していて
ランチとディナーは観光客で混み合います。


3階はKotoの歴史を知ることができるミュージアムのようになっています。


100ドルの寄付でレンガに名前が刻まれ「Dream Builder」になることができます。


スタッフの皆さんと。


  Kotoのウェブサイトhttp://www.knowoneteachone.com/





2016年12月10日土曜日

ベトナム人の言語力の高さを実感

ハノイの訪問先で迎えてくださる組織の代表者やスタッフのみなさん。海外経験がほとんどor全く無いにも関わらず、英語が堪能で、中には日本語を話す人も。そしてみなさん若いのに責任のある仕事をまかされている。そういえば通訳者のタイくんも、高校まではずっとベトナムで教育を受けたのに、今や4か国語を繰る。これは、ベトナムの言語教育が成功していることの表れなのか、それとも、私達が国際的な職場を中心に訪問しているからこそ感じることなのか、気になってちょっと調べてみると、予想を裏付けるような結果が・・・。

毎年世界各国の英語能力ランキングを発表しているEF EPIの最新レポート(http://www.efjapan.co.jp/epi/)によると、2015年のベトナムの英語能力は72か国中31位で「標準的」との評価。近年順位を飛躍的に上げているそうです。一方日本は35位の「低い」という評価で近年下降傾向。ベトナム人の飛躍的な英語能力向上の背景について、EF Education Firstは、初等教育からの英語教育の取り組み、オーラルを重視した授業展開等を挙げています(http://english.cheerup.jp/article/400)。また、ベトナム政府は英語教師教育にも大幅な予算を割いているとのこと。

日本政府も、英語教育改革には相当な力を注いでいるはずだけど、この差の主たる要因は何でしょうか?自分の可能性を広げるために、大学時代にあらゆる経験をしたと語る若者や、「いつかは英語力をつけてガイドになりたい」というタクシー運転手と話していると、彼・彼女らは、言語力を高めることが自分の人材価値を高めるという認識を日本人よりも強く持っているのではと感じます。人口が増え、平均年齢が28歳という国であり、世界各国から人が流入するベトナムにおいて、国際力を身に着けることが成功の鍵であると認識するのは、自然な流れなのかもしれません。




学校の授業だけで高い英語力を身に着けたHaさん、そして通訳のタイくん



海外経験ゼロだけど、アメリカ領事館でインターンシップを経験し、ベトナムの若者代表としてオバマ大統領とも会議で同席したLinhさん





自分は学生時代に海外経験ができなかったことから、若者の国際力を養う団体を立ち上げたMoさん

2016年12月9日金曜日

ベトナムの”栗原はるみ”

2週間前、ホーチミンのイベントで私たちのブースを訪れてくれた女性。「ハノイに住んでるから来ることがあったら連絡して」という言葉を信じて会いにいくと、実は彼女、世界的に著名なテレビ番組「マスターシェフ」の、ベトナム人シェフTOP5に選ばれたという、料理研究家Vu Thi Ngoc Aiさんという方でした!

Jica駐在員家庭などで料理人として働いた経験を多く持つほか、日越の交流イベントや大使館でVIPの食事を担当し、ベトナム人や日本人を対象とした料理教室も展開されています。化学調味料を極力使用しない彼女が注目しているのは日本の素材。特に私たちが紹介している(株)ウィルビーさんの「やるまるだし」を、是非多くの方に伝えたいとのこと。

世界中で和食人気が高まる一方で、日本食が手軽に家庭料理として普及していくには(私たちが時々ピザやパスタを家庭で作るように)、ただ商品を店頭で並べる以上の工夫が必要だと常々感じていました。両方の食文化やスキルを活用して新しい価値を生み出すAiさんのような方と一緒に活動することができたら、その課題もクリアしていけそうです。今後の共同についても相談をすることができました。

写真はAiさんと彼女の著書。






2016年12月8日木曜日

モノよりコトの消費が始まっています。

ハノイのジャパンブランド発信地「サクラステーション」ヘ。ここは、可処分所得が同世代の日本人より高いと言われる主にベトナム人子育てファミリー層が暮らすタワーマンションの2階に位置しています。

空港ラウンジのような空間を取り囲むように、ショップ、カフェ、居酒屋、日本語スクールがあり、これから更に子どもを対象とした、ダンス教室、料理教室、スイーツ専門店、脳力開発スクールなどの運営が始まります。そう、ベトナムの富裕層では、すでに「モノよりコト」の消費が始まっているのです。

併設の居酒屋「三陸」では美味しい鯛めしも食べることができたりして、マーケットの可能性を実感する一方で、さて、今更日本から何をもっていけば喜ばれるのか、頭がフル回転しています。

サクラステーションの皆さま、長時間お付き合いいただき、ありがとうございました!


2016年12月5日月曜日

「産業・組織心理学研究」に拙著論文が掲載されました。

横浜国立大学安野先生と、京都外国語大学の岸岡先生と共に、12名の学生リーダーを対象に調査を行ったのがおよそ3年前。取得したデータをまとめて初稿を完成させ初投稿したのが2年前。それから何度か突き返され、推敲を重ね、やっと出版に至りました。雑誌掲載にこだわったのは、「リーダーシップは”ある、ない”ではなく、誰の中にも育てることができる」というメッセージを、特に人を育てる立場にある方々に広く伝えたいという願いがあったからです。

様々な経験、振り返り、メンターとの関わり、off-JTなどの学びを得ながら、人は物事の捉え方を変え、徐々に自己のこれまでの考え方や行動を手放し、新しいあり方(being)への試みが生まれます。「新しいあり方への試みが受容され、肯定的なフィードバックが得られた時、自己効力感が増し、その試みはリーダーシップ能力として定着」していく・・・。12名のリーダー達の半生が伝えています。最初から立派なリーダーだった人は誰一人いない。ご協力いただいたすべての皆様に心から感謝しています。


2016年12月1日木曜日

最高のプレゼント

二つの国で、二つの制服を着て高校生活を送った娘が、無事12年生を卒業し帰ってきました。何度も挫折しそうになり、スカイプで喧嘩し、泣きながら宿題に頭を抱えた日々が、気がついたら終わっていました。娘の次のステップは、希望の大学に志願するためのポートフォリオ(作品集)作成で、そのための学校に春から通います。

*二つの学校の制服。右はマレーシアの高校。左はニュージーランド。名前入りパーカーだけという気軽さ:



久しぶりに長期間娘が家にいるという感覚。以前よりも楽しめるのは、きっと彼女が精神的に成長し、私のあれこれを受け止めてくれるようになったからなのでしょう。息子たちも何か吹っ切れたような娘の明るさに吸い寄せられ、リビングに以前にも増して集まるようになりました。

今日は私の47回目の誕生日。シャワーも浴びず、化粧もせず、着替えることもなく家で過ごし、娘と一緒に最近の私たちのお気に入り「Valentine」なんかを熱唱するという、最高のプレゼント。娘を支えてくれた全ての人に感謝しています。





2016年11月29日火曜日

舞台の表と裏から見えてくるもの

週末の「ニッポン全国物産展」では、株式会社ライブスさんのお手伝いで、47都道府県の商品調査に参加しました。3日間、時には一般客のように接客を受け、試食を重ねて買い物し、時には運営側として出展社さんからアンケートを回収。またある時は、スタッフ証をつけているがために、一般のお客さんに案内をお願いされるなど、イベントをまさに360度から味わいつくしました。

丁度1週間前、私自身はベトナムで出展社として試食提供を行っていましたが、その立場からだけでは見えなかった来場者の心境を今回はありありと感じ取ることができたし、様々な出展社さんの商品や販売スタイルを調査者の視点で眺めることで、自分の営業方法の改善点を山ほど見出すこともできました。

「ニッポン全国物産展」「ジャパンベトナムフェスティバル」共に大賑わいで、出展社も来場者も肩が触れ合う程の距離で同じ場所を共有しているのに、その思いが通じ合うことは容易ではない。。。だから人は簡単に財布を開かないし、売る側は「どうして伝わらないのだろう」と頭を悩ませる。もちろん想いが通じ合い、大繁盛のお店もたくさんあるのだけど。。。このもどかしさはクセになりそう。ワクワクする自分を発見。

そして、3日間で知り合いになった出展社さんから、ゆず最中、珊瑚のアクセサリー、アイスクリーム、柿などいろいろ頂きました。郷土の資源を熱く大事に伝える人の愛に触れました。

写真は調査者みんなが買い集めた商品を片っ端から試食し、舌と脳が忘れないうちに評価シートを埋める・・・の画 ^^;






2016年11月24日木曜日

丁寧な言葉と関わりがもたらしたもの

ホーチミンにて開催された「2016 Japan Vietnam Festival」にて、愛媛の食料加工品を紹介しました。このイベントの参加者は、主に日本文化を好むベトナム人です。商談目的の業者が集まる展示会とは全く異なり、2日間で15万人以上が来場するこの「お祭り」に参加をした理由の一つには、一般のベトナム人が私たちの取り扱う商品をどのようにとらえるのか、生の声を聴きたかったという思いがあります。これまでは海外で活躍する和食関係者や駐在員の方々のフィルターを通して、現地のニーズ把握に努めてきました。しかし、現地での販路拡大していくためには、人口の大半を構成するローカルの人に直接アプローチしていかなければなりません。


今回の新たなチャレンジのために準備したのは、訴求力のあるメッセージを英語とベトナム語とデザインで伝える販促物。そして、英語、日本語、べトナム語、中国語を使いこなすベトナム人のタイくんに協力を仰ぎました。タイくんは、その言語力だけでなく、鋭い観察力で来場者のニーズをくみ取り、丁寧に商品の魅力を伝えてくれました。また、今後のビジネスにつながりそうな人物を見極め、私に名刺交換を促してくれたりもしました。おかげで、イベント終了後に、私たちのビジネスの転換をもたらすと思われる、重要な方々と話し合いの場を持つことができました。本当に感謝しています。

広告デザイン、通訳・翻訳は、テクノロジーの発達で経費削減の対象になりがちですが、ただの媒体や変換機でなく、優れた表現者・コミュニケーターとしてのそれらの存在は、簡単にAIなどに取って代わられることはないことを実感しました。

タイ君の通訳で地元のニュース番組の取材












イベント終了後のミーティング





               




2016年11月15日火曜日

日本語の訴求力

輸出を希望するメーカーさんの商品を吟味し、海外営業のための販売促進ツールを複数言語で準備する中で痛感することがあります。それは日本語による商品説明の曖昧さ。「○○さんちの・・・」「歴史が育む伝統の味」「シェフの手ごね○○」等々。文化を共有する日本の消費者には付加価値をもたらすことのできるこれらの文言も、海外の人には何も伝えていないというケースが多々あります。1から100 まで伝える必要はないと思いますが、折角多言語で商品紹介を行うのであれば、商品の本質的な特徴を伝えることのない文章で、パッケージやチラシを埋め尽くすのは、あまりにもったいないと感じます。

また、最近都心の店などでよく目にする、雑貨のように販売されているスタイリッシュなパッケージに入った食料加工品。裏のラベルを読むと、こだわりぶりが理解できるのですが、折角たくさんのインバウンド客が訪れているのだから、オシャレなパッケージはそのままに、もっと訴求力のある多言語メッセージを、せめてポップなどで伝えてはどうかと感じます(売り場が煩雑になり、店の雰囲気を壊してしまうでしょうか・・・)。

外国の方に日本の商品をしっかり伝えたいと思う時に生まれるこれらのもどかしさは、日本における高コンテキスト文化がもたらすものだと考えます。高コンテキスト文化では、「何を言ったか」よりも、「どのように、どのような状況で言ったか」が重視され、「言語・共通の知識・体験・価値観・嗜好性」などに依存した意思疎通が行われるのです。ですからロジック訴求ではなく、感情訴求の商品案内が多いのでしょう。

ちょっとだけ宣伝になりますが、弊社では3つの国に住む、経験豊富な5名のメンバーが翻訳に携わっています。現在は日本語で既に作成されている案内文を翻訳することを中心に行っていますが、現在、文章から書きおこす、消費者のアクションを促す訴求力のある販売促進ツールの開発を始めています。何かお手伝いできることがあれば、いつでもメールにてご連絡ください。nourishjapan@gmail.com

写真は東京の博物館での一コマ。展示物の説明はほとんど日本語なのに。こういうところは訴求力のあるメッセージ^^;







2016年11月8日火曜日

もっと自慢したい地元企業

昨晩は、愛媛の大手地方銀行である伊予銀行さん主催の「いよぎん海外ビジネス交流会」でした。地元を代表する企業の中、生まれたばかりの超零細企業でしかも女子(一応私のことです)はアウェイ感満載でしたが、伊予銀行国際部の方々のご配慮もあり、複数の方々と名刺交換をさせていただくことができました(ありがとうございました!)。

当然のことながら、お会いするのは既に海外進出を果たされている方々ばかり。「へえ〜そんな国で、そんなことを!」と驚きの連続でした。中でも海外進出先進事例として全体に向けて発表された株式会社愛亀さんの取り組みは大変興味深いものでした。取り組みの一つとして、道路のくぼみやひび割れを簡単に埋めることができる舗装補修材「エクセル・パッチ」が紹介されました。特別なスキルがなくても、常温でも扱える補修材(アスファルト舗装でよく見かける高温ローラー必要なし)の需要は開発途上国で非常に高く、現在は、JICAと展開するカンボジアやインドのインフラ整備で活用されている他、タジキスタンを始め、多くの国から愛亀さんの技術と商品に対して引き合いがあるそうです。

愛媛生まれで愛媛育ちと仰る愛亀の代表取締役西山氏ですが、幼い頃から好奇心がとても強かったとのこと。国内市場の縮小を感じた時、「海外に出よう」と直感的に感じたそうです。もうじき還暦とは信じ難い立ち居振る舞いで、プレゼンテーションはiphoneをiwatchで操作。他方、多くの実績にもかかわらず、「今こういうことをやっているというだけのこと。先のことは何もわからないんですよ」と謙遜される。外へ外へと目が向きがちな若者に、もっと知って欲しい地元の人や会社がたくさんあると実感した夜でした。

2016年11月7日月曜日

九州パンケーキから学ぶこと

話題の九州パンケーキ。プロデューサーは宮崎県にあるお寿司屋さんの2代目。商店街の活性化に尽力する中で、自分たちの成功だけを追い求めるのではなく、「経済の循環を生み出していくことが大切」という思いで、県境を一気に飛び越え、すべて九州産の材料だけで作ったパンケーキミックスを作ったのだと(参照:MACHI LOG)。小麦は大分、赤米は福岡、発芽玄米は宮崎、うるち米は鹿児島、黒米は熊本、もちきびは長崎、胚芽押麦は佐賀県、砂糖は沖縄から。今や全国600カ所以上の店舗で販売され、台湾とシンガポールには「九州パンケーキカフェ」もオープンしています。

通常「カロリー分の栄養素」という基準で食を選ぶ私が、市販のパンケーキミックスに手を伸ばすことはほとんどありませんが、先日この九州パンケーキを店頭で見かけ、その話題性、正直さと自信が伝わってくるパッケージに惹かれて迷わず買い求めました。早速週末に子どもたちといただきましたが、優しい甘さ、歯ごたえ、雑穀の風味、そして「九州の生産者さんが協力して作っている」というイメージも入り込んで、納得感と満足感の大きい朝食となりました。



さて、このパンケーキの粉から何を学んだか。それは地域資源を広く捉えて活用することの大切さです。最近、海外営業先でよく言われるのは「県ごとに売り込みに来られても対応が大変」「海外の人にとっては○○県産はこだわらない」「オールジャパンでいいものを厳選して持ってきてほしい」など。本当は隣県の方がその野菜の生産に的にしているのに、無理やり自分のところだけですべてを揃えることには無理があり、消費者のためにはならないということなんですね。私自身、単なる「地元推し」にならないように、愛媛県産品の本質的な良さをしっかり学ばなければなりません。

以下「九州パンケーキ」サイト:http://shop.kyushu-pancake.jp/








2016年11月6日日曜日

気分を侮るなかれ

「気分」って、モワモワっと湧き出す泡のようで移ろいやすいため、明確な要因を特定できる具体的な「感情」や「情動」ほど、気にかけないものです。

先週の松山大学の心理学の授業では、この「気分」の大切さについて、ロバート・E・セイヤーの「毎日を気分よく過ごすために」を読んで考察しました。セイヤーは、気分は心理的及び生理的プロセスであり、「その時の心身の状態を測定する温度計」だと述べています。だから気分の状態にしっかり気を配ることで、自分が取るべき行動が自ずと見えてくるのだと。また、気分は私たちが外界を捉える際のフィルターとなるため、いくら物質的に恵まれていても、高い地位にあっても、沈んだ気分は外の世界を否定的なものとして自分の中に取り込んでしまうのだと。逆に言うと、物質的に豊かでなくても、良い気分を保つことで、ある程度の幸福感を得られるのですね。

また、親としても、組織の長としても(小さな組織ですが^^;)肝に銘じておきたいのは、気分は伝搬するということ。集団の中心人物の気分が全体に影響を与えることは、科学的にも明らかにされています。気分を良い状態に保つための睡眠、食、運動、活動時間など、小さなことでも日々意識して選択したいものです。

写真は近所の空き地を埋め尽くすコスモス。

2016年11月3日木曜日

あちらが立てばこちらが・・・

大きな作業を一つ終えた頃に、新たな作業が発生。決まりそうな案件が流れたら、次の案件が生まれる・・・。もう随分前からそんな波乗りを繰り返しているように思います。

そういえば子育てもそう。この子が沈んでると、他の子たちはハッピー。別の子がトラブルを抱えると、この間まで沈んで子がやる気をみなぎらせるとか。全てがうまくいく時間って、そう長くは続かないものです。

でも最近分かってきました。欲張りで放っておくと動きすぎてしまう私を目の前のことに集中させるように見えない力が状況をコントロールしてくれているのだと思います。うまく陰と陽のバランスを取ってくれている。ありがたいシステムです。

昨日は丸一日貿易取引の講座を受講しました。久しぶりの座学でのインプット。「こんなことも知らずに、よく輸出の営業やってきたな」と反省しきりでしたが、身体をひとところに留め脳を活発に動かす良い時間でした。

写真は気持ち良く晴れた日の松山大学のキャンパス。








2016年11月1日火曜日

「行ってらっしゃい」と「ただいま」の奇跡

「行ってらっしゃい」と送り出した家族が
それぞれの場所でそれぞれの1日を過ごし
「ただいま」と戻ってくる。
翌朝、同じように目覚め、出かけていく。
奇跡だと感じます。

15歳で「行ってきます」と出かけた娘が
来週、高校の課程を修了し戻ってきます。
「もう無理」と思う試練がいくつもあったから
タスクを終えて帰路に着くなんて
信じられない気持ちです。

写真は先日もらった、子どもたち作の結婚20周年アルバム。
何気ない日常の写真ばかりだけど、
奇跡の連なりです。

私に似た「仕切りたがり」の長女が下地を作り
海の向こうから弟たちをリモートコントロールして
完成させたそうです^^








2016年10月30日日曜日

意義深い、自分を真に満たすプロジェクトはどこに?

私たちは日々、様々なプロジェクトに取り組んでいます。
楽しみや夢の実現のために主体的に取り組むものもあれば、
生活や家族のために仕方なくやっているものもあります。

28日(金)のBook Cafeでは、
「自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義」( Brian R. Little, 2016)
を用いて、それらのプロジェクトの中でも、自分にとって重要であり
自己の価値観と一致し、自己表現を伴う「コア・プロジェクト」を
炙り出す試みを行ないました。

「コア・プロジェクト」の背景には
その人の性格(遺伝や環境によって形成されたもの)、欲求
知能、立場など複数の要素が存在します。今回は簡易的な
尺度を用いて、参加者の皆さん個々人が自己の持つそれらの要素について
改めて振り返る時間を持ちました。

結果・・・

「自分にとってのコア・プロジェクトはこれだ」と
特定できた人もいましたが、多くの人は
・自分にとって重要
・自己の価値観と一致する
・自己表現を伴う
の3つを備えたプロジェクトを特定することができませんでした。

私はこの結果はとても自然なことであるように思います。
自分を真の意味で満たし、有能感を得ることができ
全エネルギーを投入したいと思える「真のプロジェクト」を
誰しも持っている訳でも、持つべきであるとも言えないでしょう。

しかし今の社会ではそのようなプロジェクトに関わっていない人が
負い目を感じてしまうような風潮があるし、そのようなプロジェクトを通して
収入を得なければならないとするメッセージも溢れています。

私は、仕事、余暇、家庭生活、地域活動など、様々な場面で
学び、楽しみ、悩み、成長しながら、自分が大事にする「テーマ」を
体現する人生を送ることが大事だと考えます。
コアなプロジェクトで有能感を感じることも大事ですが
様々なプロジェクトを通じて、人生の手綱を握っている感覚を得られることは
同じくらい大事だと思います。

そう考えた時、子どもや学生に対する「あなたは何になりたいですか?」という
質問はあまり意味をなさず、「あなたは何を大事に生きていきたいですか?」と
問うことが大切になってきます。それと同時に、自分が大事にしたい価値を
見極めるために、自分にとっても未知な、自分自身の様々な側面について
認識することができる「痛みを伴う経験」を重ねることが必要でしょう。

Book Cafe参加者の方々との対話を通して
いろんな気づきを得ることができました。





2016年10月29日土曜日

久しぶりにガツンときた「問題作」。

それは「Mead(ミード)」。蜂蜜酒。

ミード、人類最古のお酒というだけで、もうこれ以上のストーリーはない!
という感じなのですが、「medicine(薬)」の語源であるとか
古代から中世のヨーローッパでは、新婚夫婦が1ヶ月家にこもり
蜂蜜酒を飲んだことから「honeymoon」という言葉が生まれたのだとか
ジュリアス・シーザーも愛飲したとか
誰かに語らずにはいられない話題に満ちたお酒です。

ミードを製造販売する会社は、日本にも複数あるようですが
完熟屋さんが手がける「Misaki Mead」(写真)は
水よりも蜂蜜の割合が多いという、前代未聞の比率を誇る
「問題作」なんだそうです。

完熟屋さんは愛媛県の養蜂園で
蜜源植物で溢れる佐田岬のミツバチが作る蜂蜜の
そのままの味を届けるために非加熱無添加で
製品化されているそうです。

実は、完熟屋さんの商品、愛媛では販売されていません。
特にこのミードはオンラインでも手に入りません。
欲しい方は浅草の「まるごとにっぽん」に足を運んでみてください。
https://marugotonippon.com/tenant/detail/1006

かくいう私も、Misaki meadに出会ったばかり。
貴重なミード、少しずつ大事に飲みます。^^








2016年10月25日火曜日

命のつながりに感謝。

10月24日は父と母の結婚記念日。

二人が出会わなければ私たち子ども3人は存在しなかったわけで
それぞれの配偶者との出会いもなかったし
それぞれの間に生まれた子どもたちと
生活を共にすることは無かったのだと思うと
本当に感慨深く、命のつながりに感謝の気持ちで
いっぱいになります。

そして10月24日は国連が発足した日でもあります。
自分たちの子どもの一人が国連で働くことになるとは
両親は想像すらしていなかったでしょう。

さて、今日は久しぶりに丸一日家での事務作業にあてられた日でした。
人に会うのも好きですが、家にこもるのも大好きです。
家で作ったご飯を、数回に分けて余すことなく完食できたり
早い時間から夕飯の準備に取り掛かることができると
なんとも言えない充足感に満たされます。

今行っている主な作業は、11月のジャパンベトナムフェスティバルの準備と
12月に公開予定のウェブサイトのための情報収集です。
その中で考えるのは自分の会社の立ち位置です。
食料品の輸出入を行う商社は既にたくさん存在しているし
ECコマースも次々に生まれている。教育プログラムを提供する団体は
大学を含め山ほどある。そんな中で自分にできることは何だろう?

やるべきこと、自分の強みが活かされそうな場所
少しずつ見え始めています。それを事業モデルに変換できるかどうかです。

写真は父の七回忌の法要後の息子たちと姪っ子。









2016年10月24日月曜日

刺激的な旅

熊本から東京まで、海外進出に意欲的な
メーカーさんを巡る旅。
「海外進出」という言葉とは一見縁遠いような
田舎町にある従業員30余りの海苔屋さんもあれば
創業数百年という、お茶屋さんや出汁屋さんあり。
みなさん異口同音に「うちのような小さな会社は・・・」
と謙遜し、業績や伝統にあぐらをかくでなく
後世のことや日本文化の継承を見据えて
異文化に漕ぎ出されている。
そしてみなさんに共通するのは
受けての立場に立った営業スタイル。
「売り込み」という言葉から想像されるそれとは程遠く、
いかに「相手にちゃんと伝わるか」に主眼が置かれたもの。
「蓄積された茶業の知恵」を誇る京都のお茶屋さんは
自分たちが手がける抹茶の品質の高さを力説するだけに留まらず
ラテや「フラペチーノ」のようなドクリンクにアレンジし
「抹茶の可能性を知ってもらうには活用法まで提案しないと!」と、工夫に余念がない。
東京日本橋で300年余り営業を続ける出汁屋さんは
本物の出汁を伝えるために日本の子ども対象に授業を行い
和食文化のベースとしての出汁文化伝承のために
世界各国でワークショックを行っている。
今や南米にも多くのファンを獲得しているんだとか。
以下は、今回の旅で最後に訪れた
その出汁屋さん八木長本店。
https://www.facebook.com/yagichohonten/?fref=ts
私と同世代?と思われる、9代目主人の西山麻実子さんが
とっても素敵でした!



2016年10月16日日曜日

活動進捗状況

気がつけば創業してから3か月が経過していました。
本当にあっという間に日々が過ぎていきます。
Blogがおろそかになっていました。

改めて、Nourish Japan(ノリッシュジャパン)の事業目的は
以下の通りです:
1. 食産業の海外展開支援
2. 食料品などの輸出入
3. 食産業の海外展開に関わる人材育成事業
4. 翻訳及び通訳業

設立当初は、これらの内、とりあえず
1と2をやってみるという姿勢でしたが
気がつけば、現在業務は全ての分野に及んでいます。
とはいえ、まだ利益はわずかしか生まれておらず
種まきが続いている状態。
しかし、少し前までには考えられなかったような
素晴らしい方々との出会いに恵まれ
一人では絶対生まれなかったアイデアや野望が
湧いてくるのを感じています。

この1か月はニューヨークとホーチミンでの営業活動もありました。
ニューヨークとベトナム、それぞれ異なる理由で
輸出が容易ではないと思い知りました。
しかし、行かなければ知りえなかった別な可能性も見えてきました。
それらを実現できるかできないかは
私自身の日々の時間の過ごし方にかかっています。
誰もお尻を叩いてはくれません。

以下はできたばかりの名刺の英語バージョン。
兄の会社のデザイナーさんにデザインしてもらいました。
ロゴは人や物が行き交う様子を表現しています。
NourishのNという字も表しています。
半年学んだナチュラルフードコーディネーターの資格も刻むことができました。
また明日から慌ただしい日々が続きますが
心を失わないように、日々過ごしたいです。

2016年9月2日金曜日

商材の魅力を効果的に伝えるために

9月がスタートしました。
ベトナムとニューヨークでの営業活動を控え
気合いを入れるために、3年ぶりくらいに髪をショートにしました
(形から入るタイプです、笑)。

商材も次々届き始めました。
順次このブログでも紹介していきたいと思います。

まずは宇和島市の尾崎食品株式会社さんの
業務用柑橘食材です。
ブラッドオレンジ、いよかん、ゆず、みかん
レモン、文旦などの果汁、ピール、パウダーが届きました。




尾崎食品さん、かつての主要な事業は食料品の卸問屋でした。
しかし地方の小売店が次々廃業していく中で新たな事業展開を図られ
これまで食品開発に携わったことのない社員の方々の試行錯誤の末生まれた
「飲む酢」が大ヒット。現在では大手デパート、空港など
あらゆる場所で尾崎食品さんの「柑橘王国ブランド」の商品を
目にすることができます。

さて、私共Nourish Japanでは、メーカーさんの商品をなるべくたくさん、
そして継続的に輸出するために、個人用商品だけでなく業務用商品の販路を
獲得することが有効だと考えています。
しかし、写真にあるような食材をいきなり先方にお渡ししても
きっと戸惑われ、忙しい業務の中で、封を開けてもらうことすら
叶わない可能性があります。

そこで、今回はその場ですぐに食べていただけるように
食材をお菓子に変えてご紹介することにしました。
そのお菓子を作ってくださるのは、
松山市にあるミカンカフェのオーナーパティシエ
永尾彰英氏です。
ゼリー、焼き菓子などを小さな袋に入れていただき
営業先で配布できるようにご準備いただく予定です。
大変お忙しい日常業務にもかかわらず
快く引き受けてだくさいました。
これも紹介してくれた友人の越智香織さんのおかげです。
ありがとう!!

*写真は愛媛調理製菓専門学校サイトより


何もかも初めてのことだらけですが
日々様々な方に助けられています。


2016年8月29日月曜日

愛媛経済レポート2016年9月5日号にて紹介いただきました。

先日愛媛経済レポート佐伯さんに取材いただき
弊社の活動について、大変分かりやすくまとめて
いただきました。
まだ具体的な成果には結びついておりませんが
市場ニーズについては実感するこの頃です。

どんな小さなことでも結構です。
お問い合わせは下記まで:
nourishjapan@gmail.com

ウェブサイト完成までご不便をおかけいたしますが
何卒、宜しくお願い致します。


2016年8月19日金曜日

家で仕事することの最大のメリット

会社立ち上げから1ヶ月が過ぎ
家で働くリズムが出来つつあります。

外回りはなるべく午前中に済ませ
昼は家に戻り子どもたちとご飯。
午後は食卓で、日報(誰に見せるわけでもないけど)を書いたり
書類作成。夜は家のことに半分意識を向けつつ
ネットや新聞で情報収集します。

以前は「家で仕事するのは無理」と思っていましたが
自分が心から欲すること
自分がやらないと誰も前に進めてくれないことなら
どんな環境でもやれるもんだと感じています。
みんなが集うリビングに鎮座するPCでの仕事も
手遊びを防ぐにはもってこいです。

そして一番良かったと思うのは
子どもたちに自分が何をやっているか
より明確に伝えられること。
仕事の電話の会話や、PCスクリーンに示されるプレゼン資料の端々を
何となく捉えている子どもたちが
関心を示して質問してきたら
「待ってました!」という感じです。
差し支えない範囲で説明します。

思えば父親が私にそうしてくれていました。
広告マンの父は、ドライブ中に目に入る企業の看板や
食卓に広げた新聞記事や広告を指し示しながら
市場の動向や、企業活動の相互依存性について
いつも惜しみなく説明してくれていました。

「今日はみんなと何を共有しようか」と
打ち合わせ先でおやつを買うのも
楽しみの一つです。

家で仕事するデメリットももちろんあるでしょう。
でも今は、今のスタイルがしっくりきています。














2016年8月6日土曜日

「いいですね。やってみましょう!」

学生時代のバイト先のマネージャー、OL時代の会社の先輩、友達や夫が紹介してくれた企業の方々、父の昔の仕事仲間、前職時代に知り合った方、親戚など、様々方にNourish Japanの事業をお話しする機会をいただく。怖いくらいに皆さん「いいですね」「やりましょう」と言ってくださり、依頼事項を快諾してくださる。きっとそれはビジネスプランが素晴らしいとかそういうことではなく、何かよくわからないけど、「そこまで言うんだったらやってみたらいいよ」「できることはするよ」というエールなんだと思う。不安が無いと言えば嘘になるし、寝る時も移動中の乗り物の中でも、ひたすら自分に「できる!」と暗示をかけ続ける日々。もちろん最悪も想像する。人に迷惑をかけることだけはしたくないけど、どんな状況になっても家族は守れると思っている。

写真は、ニューヨーク時代の上司@修善寺のビール工房。35年ぶりの日本での生活。ご夫婦で宿に泊まり込みで、海外ビジネスや生き様についてご教示いただく。

2016年7月22日金曜日

法人登記完了。ペースセッターは学生。

7月11日に申請した法人設立登記が完了し
「合同会社 Nourish Japan(ノリッシュ ジャパン)」として
活動を開始することとなりました。
(Nourishには、心や体に栄養を与える、育成するという意味があります)

過去3ヶ月間、様々な人に会い
思いを説明し、意見や助言をいただきながら
3つの事業案を作成し
「これでやってみよう!」というところまで
これたのは、2つの大学の授業で関わった
学生たちの存在があったからだと思っています。

毎週1200文字のレポートをコツコツと提出し続けた
250名の松山大学の学生と
「ダイバーシティを活用する新たな人事の仕組みを提案する」
というプロジェクトを遂行するために
毎週たくさんの課題をこなし続けた立教大学の学生たちは
私にとってペースセッターのような存在でした。

大学のフルタイムの仕事を離れた理由の一つに
理論だけを振りかざしてリーダーシップを教えている
自分に対する違和感がありました。
そんな思いで飛び出したのに
真摯に学ぶ学生を前に
後ろめたさを感じるようなことが
あってはならないと自分に言い聞かせてきました。

写真は、松山大学熊谷太郎先生と
ジョブカフェ愛work熊谷環さん夫妻からの
贈り物。あとは法人設立日を書き入れるだけという
状態で先月いただきました。
やっと日付が入りました!!

始めることは誰でもできます。
続けられるかどうかです。
楽しみながら頑張ります!




2016年7月14日木曜日

企業を樹に例えたら

立教大学グローバル・リーダーシップ・プログラム101(GLP101)では、
クライアント企業から頂いた課題にチームで取り組み
そのプロセスを通してリーダーシップを学びます。
去る7月9日は、7クラス28チームの中から予選を勝ち抜いた7チームが
今期のクライアント企業であるオリックス役員と社員の方々を前に
プレゼンテーションを行う「本選」でした。

今期受講生たちが取り組んできた課題は
「ダイバーシティを活かした新たな働き方や人事の仕組みを提案せよ」。
というもの。

従来の、営業利益に直接結びつくことを狙いとした
ビジネスプランの提案でなく、人事の仕組みを提案するという
学生にも私たちにとってもハードルの高いテーマでした。
しかしながら、受講生たちは膨大な資料を読み、疑問を投げかけ
仲間で話し合い、それぞれが創造的な提案を完成させました。

本選までを終えた今、受講生たちは、
これからの企業活動において鍵となる
とても大事な課題解決アプローチ法を学ぶことができたと実感しています。

それは具体的にどういうことか。企業を1本の樹に例えて説明します。
(オリックスさんではなく、一般的な企業の話をしています)

樹になる実は、企業が提供する商品です。これまで
多くの企業が主に顧客のニーズや市場に対応した実をつける事に
エネルギーを注いできました。

しかし、少子高齢化、環境問題、人権問題など、社会的課題が
早いスピードで深刻化・複雑化するこれからの社会において
樹は、大気(社会全体)、水(構成員)、土壌(組織文化やコミュニティ)、
他の生体(顧客や他の組織)との連鎖など、生態系全体を考慮せずに
健康に成長し続けることが難しくなっています。

これまでありがちだった表面的なCSR活動等でなく
組織内にある課題を見つめ、体内の健康を増進すると共に
周囲にある課題を丁寧に拾い、需要を顕在化しながら
他の生体と共に豊かな環境をつくっていく姿勢は
企業だけでなく、今後あらゆる組織に求められるでしょう。

今回のGLP本選の最後、オリックス取締役の髙橋秀明さんが
このようなことを言われていました(一言一句同じではありません):

「イノベーションとは新結合だが、テクノロジーとテクノロジーだけを
掛け合わせるのではなく、人間の本質的なところに迫った解決を試みる
そういう若い力を育てて欲しい」

これを先ほどの樹の例を用いて表現するなら、自分や他の組織が付けた
実と実を安易に掛け合わせて新しいものをつくることへの
警笛ではないでしょうか。

今期の授業で、経営効果を生む
「ダイバーシティを活かした人事の仕組み」について検討を重ねた
受講生たちは、環境や組織を脅かさず、活かしながら活動し
結果的に生態系に良い循環をもたらすような企業活動とはどのようなものかについて
理解を深めたと感じます。

15週間伴走してきたマラソンのような授業も
来週で終わりです。ちょっと寂しいです。









2016年7月8日金曜日

換金能力を上げろ!

ベトナムでの営業活動4日間。ずっと随行してくれた従兄弟Hiroshi。
移動しながら、フォーを食べながらコーヒーやワイン飲みながら、
輸出入に関わる数字の出し方から営業トークまで
いろいろレクチャーしてくれました。

サウジアラビアから北米まで営業経験のあるHiroshiから言わせると
私の営業トークは関係ない話がちょっと多すぎなんだとか。

「あのね、商売にはリーダーシップも大事やけど
 換金能力も大事よ」とHiroshi。ごもっとも!

もっと神経を研ぎ澄ませ、相手の時間も自分の時間も
無駄にしないように、営業成果を追求しなければと痛感。

ホーチミン滞在後半の2日間で、Hiroshiの会社
夫のNPO 、そして私の会社で展開する新しい取り組みに
ついて協議し、資料にまとめ、帰国翌日に
企業様に提案に上がりました。
スピードの大切さも学んでいます。


2016年6月22日水曜日

「新たなニーズを興す創業プラン」として採択されました。

この度、経済産業省による創業補助事業に
採択されたとの連絡がありました。
創業準備で減り続ける預金残高を思い、
ちょっと途方に暮れていた月曜の午後の出来事でした。^^;

今回の採択率、実は4.7%ということで
今でも信じられません。
4月にビジネスプランを提出し、6月半ばに
結果発表があると聞いてはいたものの
まだ何も形になっていない私の事業が
採択されるとは夢にも思わず
合否の結果を待たずに、法人化の手続きも
あとは法務局に行くだけという段階まで整えていました。

今回補助を受けることで、事業に必要な設備などが整います。
また7月の初の海外営業のために、無料や割安の価格で
私に商品を託してくださる4社の企業様の商品を
引き続き海外で紹介していく環境を整えることができます。
本当に嬉しいです。

一方で、国のお金を使うことの責任の大きさや
手続きの大変さも認識しています。
手抜かりがないよう、期待に応えられるよう
努めたいです。

これまでアドバイスをくださったたくさんの方々
事業プランの作成をサポートしてくださった
みなさまに心より感謝申し上げます。







2016年6月19日日曜日

200人超えの席替え

松山大学での心理学の授業。250名超規模ですが
グループワークを行っています。
授業への積極的な参加を求めることを
シラバスに示していて
毎回の授業後のジャーナルで、グループワークで得た知見に
基づいた見解が含まれているか、もしくは授業で提供された以外の
書籍やメディアから得た他者の見解を踏まえた考察が含まれていたら
ポイントが与えられることになっています。

同質性の高い地方の私立大学なので
グループにはできるだけ多様性を担保するべく
座席は、教務課の方に無理を言って、なるべく
学部、学年がバラバラになるように、配置していただいています。

ただ、かなりの手間をかけて作成いただいたこの座席指定ですが
授業も6回目を過ぎたあたりから
「今のグループの人と仲良くなれたのでもっと他の人と話してみたい」
「グループの人が休みがちなので、最近話し合いが活発でない」
という声が大きくなってきて、思い切って席替えを行うことにしました。

しかし、再び教務課の方に座席の組み替えをお願いするわけにもいかず
授業時間を大幅に削らない効率的で効果的な席替え方法を
学生から募集することにし、それを実践しました。

授業後の学生のジャーナルを読むと
概ね満足だったようで、複数の学生が
席替え時の他の学生のリーダーシップについて言及していたことは
予想し得なかった嬉しい副産物でした。
以下学生のジャーナルより抜粋:

今回一番驚いたのはあの200人規模の人数でも席替えが可能だということです。・・・初めは絶対無理だと思いました。しかし、だれか一人がリーダーシップを発揮するとそれからはどんどんスムーズに進んでいきあの大人数でも席替えが可能となりました。やはり誰か一人でも周りのために動ける人がいるとどんな大掛かりなことも成功するんだなと思いました。」